転院の前に、もう一度家へ――たった15分の寄り道がくれたもの


本日は、転院のための移送をお手伝いさせていただきました。

ご本人は病院から別の医療機関へ移られる予定で、当初はそのまま搬送する予定でしたが――
ご家族とご本人のご希望で、「少しだけ自宅に立ち寄れませんか?」というご相談を受けました。


目次

■ たった15分の帰宅。でも、とても大きな15分。

訪問の時間はほんの15分ほど。
でも、その短い時間に、たくさんの想いが詰まっていました。

ご本人はご自宅の庭に降り立ち、畑の野菜を見つめてひとこと。

「よく育ってるね…」

近所の方々も様子を見に来てくださり、そっと手を合わせたり、
「元気にいってきてね」と声をかけたり。

その光景に、ご本人の目元が静かに緩みました。

サボテンの花が咲いていたことにも驚かれ、
「こんな日に咲いてくれるなんて、ね」と、
まるで草花がご本人を見送ってくれているようにも感じました。


■ 暑さの中で、心が温まった時間

この日は気温が高く、日陰にいても体力を消耗しそうな暑さでした。
ですが、そこに流れていたのは、汗ではなく涙がにじむような時間

「もう一度、家を見せてあげたかった」
「寄ってもらえてよかったです」
そんなご家族の言葉が、心に残りました。


■ 福祉タクシーは、“移動”のためだけじゃない

私たちがしているのは、「ただ運ぶ」ことではありません。
その人の人生の節目に、そっと寄り添うこと。

「ほんの少しの寄り道」
「一目でも見ておきたい場所」
「誰かに会っておきたい気持ち」

それを叶えるための時間こそが、
ご本人やご家族にとって、どれほど大きな意味を持つかを改めて実感しました。


■ 最後に

今日の寄り道は、15分でした。
でも、それは「単なる15分」ではなく、人生の一部を締めくくるための、かけがえのない時間だったと思います。

これからも、福祉タクシーむすびは、
「安心・安全に移動する」ことはもちろん、
「その人らしい時間を大切にする」サービスを心がけていきます。

▶ ご家族のご希望や、お気持ちに寄り添った対応も可能です。
▶ どんなご相談でも、まずはお気軽にご連絡ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次