現場のプロに介護技術を学ぶ

――介護講習で気づいた「支援の質」は、技術と姿勢から生まれる

先日、UDラボ合同会社 代表の堤様にお声がけいただき、鹿児島市坂之上にあるデイサービス施設にて開催された介護技術講習会に参加させていただきました。

講習の場に集まったのは、日頃から福祉や介護の現場で活躍されている百戦錬磨の皆さん。
施設紹介業をされているサティスケアの正本様、外出支援を行うおでかけサービス「ハレの日」の鎮守様、そしてケ・セラ・セラの下園様など、まさに実践の中で経験を積まれてきた方々でした。

皆さんとご一緒する中で、現場での支援における「奥深さ」と「姿勢の美しさ」に圧倒される時間となりました。
今回はその学びを、自分なりの気づきも交えて、まとめてみたいと思います。


目次

■ 現場で生きる“リアルな介助技術”を体感する

講習のメインテーマは「移乗動作」。
介護が必要な方をベッドから車椅子へ、またはトイレの便座へなど、安全に移動させるための技術を、いくつものパターンを想定しながら実践しました。

・ベッドの高さが調整できないケース
・車椅子のサイドガードが固定されたままのケース
・下肢に力が入らず、立位保持が困難な利用者の場合…など

想定するシチュエーションは多岐にわたり、それに対してどのように「力を使わずに」「自然に」「安全に」介助するかを、参加者同士で試行錯誤しながら共有していきました。


■ 技術以上に大切な“意識と視点”

今回の講習でとても印象的だったのは、皆さんが一様に「無理をしない」ことを大前提に介助していた点です。

たとえば、つい腕の力で相手を引き寄せようとしてしまいがちですが、それでは介助する側もされる側も、身体に大きな負担がかかります。
実際の現場でそれを繰り返せば、介助者の腰痛リスクや、利用者の不安・転倒の危険にもつながりかねません。

大切なのは、**「重心をどこに置くか」「身体の向きをどう取るか」**という、物理的な原理に基づいた動き方でした。
ちょっとした足の位置、目線の合わせ方、手を添える角度――
そのすべてに意味があり、それが積み重なって“安心感のある介助”になるのだと実感しました。


■ 技術と心はセットで磨くもの

実際に宿泊付きのツアーに同行されるなど、遠方・長時間にわたる外出支援を日常的に行っている方々からは、「その場の判断力」や「即応力」も大切だという話が出ました。

たとえば、旅行先のホテルでベッドが高すぎた場合にどう工夫するか、
想定外の段差があったときにどう乗り越えるか。
マニュアル通りでは対応しきれないことがほとんどで、だからこそ**「引き出しの多さ」=技術と経験の豊かさ**が問われるのだと感じました。

その一方で、技術だけでは埋まらないのが「その人に合わせた支援」。
ある参加者が言っていた、こんな言葉が印象的です。

「その人が“安心して頼れるかどうか”は、やっていることの正しさより、寄り添う姿勢から伝わる」

利用者にとって、外出や移乗の場面は“身を預ける”時間です。
そのときに「この人なら任せられる」と感じてもらえるように、技術と人柄の両方を磨いていく必要があると痛感しました。


■ 福祉タクシーにも“質”が問われる時代へ

僕は現在、「福祉タクシーむすび」として、移動支援・付き添い支援サービスを提供しています。
日々、利用者の方を病院や買い物、法要、観光などさまざまな目的地へお連れする中で、
「ただ目的地に着く」ことだけでは足りないと感じるようになっていました。

・移乗がスムーズにできるか
・その方の不安に気づけるか
・一緒に過ごす時間に安心感を持ってもらえるか

そのどれもが、移動の“質”を左右する要素です。
今回の講習を通じて、その意識がより明確になり、これからの自分のサービスに活かすべきヒントをたくさん得ることができました。


■ 人との出会いも、大きな財産

このような講習に参加することで得られるのは、技術や知識だけではありません。
同じ志を持つ仲間とつながり、支え合える関係性――それは、日々孤独になりがちな個人事業の現場にとって、非常に大きな励みになります。

今回のような実践的な学びと交流の場を与えてくださった堤様に心から感謝するとともに、今後も自ら機会を作って技術を磨いていきたいと思っています。


■ おわりに

「また頼みたい」「この人に任せたい」と思ってもらえる支援を目指して。
今回得た学びを、一つひとつの日常業務に落とし込み、福祉タクシーむすびのサービスに活かしていきます。

外出先での付き添い、移乗の不安、移動手段に迷っている方がいらっしゃいましたら、
どうぞお気軽にご相談ください。
“安心して行って帰ってこられる”
そんな外出を、一緒に叶えていきましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次